マニアの館




トスカーナのサン・ファビアーノを朝8時過ぎに出発、いざピエモンテへ。

レンタカーを飛ばし、午後2時にカナレにあるモンキエロのカンティーナに無事に到着する。
すぐにフランチェスコさんが出迎えてくれました。
彼は、日本にも来日して、試飲会の時には、精力的にワインの説明をしてくれました。

父のマルコさんは、カナレの市長から、数十軒のエノロゴも務め、
多忙なため、実質の蔵の指揮は息子のフランチェスコが任されています。




まずは、畑へと案内して貰いました。

ちょうど、その日から「シャルドネ」の収穫を初めていました。
(こちらは「タマルディ」に使われるブドウです)

車では入れない、非常に勾配の厳しい斜面を徒歩で登り、収穫作業をしている畑を見学させて貰いました。
収穫は6人で行っていて、素早くピックアップを行っていました。




土壌は、粘土と石灰質で若干砂が混じっているもので、
丘の上部に「プリンティ」用の「ネッビオーロ」が植えられ、
その下に「シャルドネ」が植えられています。

甘みもありましたが、若干酸の強かったネッビオーロは、10月中旬になってから収穫するそうです。
それまで完熟していくのでしょう。




次に車に乗って、少し離れた場所にある「モンビローネ」畑に向かいました。
見事なまでに管理された素晴らしい畑に圧倒されました。

極上の「バルベーラ」が植えられていています。

土壌は、粘土と石灰質で若干砂が混じっているもので、
「プリンティ」や「タマルディ」の場所と非常に似ていました。




昔から畑にあった良い木のクローンをとって今の畑に植えられているそうで、
平均樹齢は約3~40年の古木になります。
手のひらに乗せられるほどの小さな房で、1本の木には3~4の房しかなっていませんでした。

これほど少ないのもトスカーナの「コッレ・サンタ・ムスティオーラ」くらいじゃないかと思わせる、
低収量だと思います。

そのため凝縮した、素晴らしい「モンビローネ」が生まれるのだと感心させられました。
このバルベーラの収穫は10月に入ってからになるそうです。

しかし凝縮したブドウは、十分に甘みと酸味のバランスがとれた、美味しい物でした。
バルベーラを代表する注目のワインです。




赤ワインは、10月になると涼しくなりますが、
温度調節のできるステンレス・タンクで畑ごとに発酵させます。

「バルベーラ」の方が早く成熟して、色が濃く、酸がしっかりしているのが特徴だそうです。
マセラシオンは2~3週間行い、セレクトイーストを使います。

また「ネッビオーロ」の方がマセラシオンは長く、おおよそ1ヶ月間掛けて行います。
その後、バリックに移してMFLを約1ヶ月行い、貯蔵も全てバリックになります。

出来の良いブドウほど、樽貯蔵を長くさせます。
貯蔵後にブレンドし、瓶熟成をしてから出荷します。




最後にフランチェスコと奥さんとで今秋に入荷するワインを試飲しました。
まずは、ラベルが斬新に生まれ変わった「レチット03」のアルネイス。
フロラールな香りと清涼感溢れる、綺麗な酸。
暑かった03年らしく、いつも以上にボリューム感満点の味わい。

「タマルディ02」は、繊細で上品なフルーツとキメのある酸が特徴で、こちらも楽しみなワインです。

ベースのバルベーラ「ペリーザ03」は、甘く、
そして品のある熟したプラムなどの香りと口当たりはソフトで、甘さすら感じる酸とタンニン。
完熟したブドウから素晴らしいワインが出来ました。

そしてネッビオーロの「レグレット」が、また素晴らしい!
上品なイチゴやイチジクの香りに、口に入れると「もの凄く甘い!」エレガントで余韻も十分に楽しめます。
これはベストバリュー・ワイン間違いなしです。

この価格帯では、滅多に味わうことが出来ない品質があります。
「プリンティ01」は、複雑性豊かで熟成が楽しみな仕上がりです。

そしてモスカートから少量醸した、ニューフェイスの甘口ワイン「ソリ・デ・ルキン01」は、
極上の甘口ワインに仕上げられています。

果実味の甘さと酸味のバランスが最高です!

ペリーザとレグレットは、飲んで頂けれは違いが分かります。